株式会社オールアバウトライフワークス「テココロ」作成キットに輪織りが採択されました

ダンボールで作った織り機を使い、場所を選ばずに手織りが出来る
「輪織り」の楽しさを知って欲しいという思いで、日本輪織り協会を設立しました。

このたび、株式会社オールアバウトライフワークスの
認知機能向上を目的としたプロジェクト「テココロ」において
当協会が推進している輪織りが採択され、認知機能の低下を予防することを目的としたプログラムとキットの提供が始まります。
(実際の提供開始は2024年1月を予定しています)

株式会社オールアバウトライフワークス様においては、
2012年より楽習フォーラムにて「輪織り認定講座」を開講しており
多数の受講生を輩出しております。輪織り認定講座は、現在も引き続き開講中です。

今回は、楽習フォーラムにて講座を開催している「輪織り」について
認知機能の向上が見込めるのではないか、というご提案をいただき、
今回の「テココロ」に参加することになりました。

日本輪織り協会では、今後、手織りの楽しさをご提供するとともに、
認知機能の低下を予防する、認知症の予防を視野に入れた社会貢献にも力を入れていきます。

1.手仕事は、脳の老化防止に効果ある?

子どもからお年寄りまで、誰もがどこでも楽しみながら出来るものづくりを提供したい

このような信念をもって、日本輪織り協会を設立しました。

過去には、夏休みに子供向けの輪織りワークショップを開催したこともあります。
子どもから大人向けのワークショップは何度も開催しているのですが
「出来ないことが増えていく」年配の方に向けて、達成感と楽しさを同時に提供できる
ワークショップを開発することは私の願いでした。

というのも
2025年には、団塊世代と呼ばれる年代の方々が、全て後期高齢者、75歳以上になります。
人口における高齢者が占める割合が、さらに増えていくということです。

そして、手仕事を生業として講師業を長年務めてきた私ですが、
手仕事が脳の老化防止に効果がありそうなのは、経験則としては実感がありました。

高齢者向けの、認知機能の低下を予防することに特化したプログラムを作成して
社会に貢献するのは、長年、私が思い描いたことでもあります。

しかし、それを科学的に実証し、証明できる、いわゆる「エビデンス」というものは出せずにいたので
「輪織りは認知機能の低下を予防出来ます」と、言い切ることが出来ませんでした。

2020年に、楽習フォーラムからお声がけいただいて、
「輪織りが認知機能の向上に貢献できるのか」という主旨の実証研究(ランダム化比較実験)に
参加することになりました。
実験を含めた準備期間は、約3年を要しました。

長年の実験を重ねた結果
「輪織りは認知機能の低下を予防する」という科学的根拠(エビデンス)を得ることが出来たのです。

2.作業療法士、大学教授監修の元、認知機能を向上するプログラムを開発

認知機能の向上が見込まれるとしても、作成が難しいものは高齢者向きではありません。
いかにして、認知機能の低下が多少みられる高齢者でも「成功体験」を得られるか、
介護施設や病院の職員など、手仕事の専門家でなくても負担なく教えることが出来るか
考え抜かれたプログラムである必要があります。

認知機能向上を目的としたプロジェクト「テココロ」は、専門家の監修の元
認知機能が低下し始めた人の初めてのチャレンジに寄り添い、不安感を払しょくし、達成できることに特化した
「ものづくりアカンパニスト」の資格養成を始めました。

介護施設や病院、カルチャースクールなどで活躍する方が「ものづくりアカンパニスト」になり
(作成キットの1つに選ばれた)輪織りの技法を使ったものを教えることによって
認知機能の低下を予防する、認知症の予防を視野に入れた社会貢献も可能になります。

 

日本輪織り協会では、これからも技術の向上とともに、年齢を問わず楽しみながら成功体験が得られるお手伝いが
出来るよう尽力してまいります。今後もよろしくお願いいたします。

【参考記事】
株式会社オールアバウトライフワークス「テココロ」